月がツキへと脱線して、お月見ぐい呑みその2である。月齢10.3、月の出15:37、月の入0:07、日の入17:50で日没の宵闇に『十日余りの月』の位置はすでに高い。今夜は遠い台風の影響か風は強いが、いい形が見られるお月見である。
さてこのぐい呑みだが、白化粧に夕焼け雲のように赤い斑点が見られる。茶道では『御本手』といって見所のひとつだ。いつもは白化粧には透明釉の庵主だが、御本手が出やすいと教室の師匠に勧められこのシリーズは土灰釉を使用。還元焼成だがやわらかい釉調で、なにやら月面模様に見えなくもない。2003年作。