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2007年 02月 19日
昨日曜日は、雨も上がって鳴り物入りの東京マラソンも終わった頃合いをみて、東京オペラシティアートギャラリーで開催中の『土から生まれるもの=コレクションがむすぶ生命と大地』展を見に行った。現代女流陶芸家の旗手、小川待子氏の新作の大作が公開されていると聞き、興味を持ってその美術館を初めて訪問した。
待子さんの新作インスタレーション以外はその副題にあるように、すべてこのギャラリーの名誉理事長である寺田小太郎氏の個人収集作品であるそうだ。昨年の『若冲展』のコレクターであったプライス氏にも驚愕したが、現代アートが中心とは言え2,600点も所有する人とはいったいどんな方(富豪)なのだろう…?ちょっと調べてみたが、この超高層東京オペラシティと新国立劇場が建った街区の地権者のひとりだそうで、近江商人の流れを汲む名家の当代であり造園家でもあったようだ。 ま、そんな下世話は話題はさておき(笑)、そのコレクションの中から「土、大地」を主眼に置きセレクトされたテーマ企画展である。土、大地と言えば、直接関連するのが『陶芸』で、アフリカにインスパイアされた待子さんの名作15点、オブジェ陶芸の祖・鈴木治18点、ダイナミックが印象に残った黒陶作品の秋山陽、そして伊藤慶二の静謐な存在感。もちろん陶芸だけではなく絵画、彫刻、写真など興味深い作品は多い。なかでもマグリットを彷佛させる野又穫の空想建築風絵画、西野陽一のエコロジカルなネオ琳派の日本画には魅入ってしまった。(途中より敬称略) 残念ながら観客も少なく、そのうえ撮影禁止でもあり、いづれも画像でお伝えできない。とくに小川待子の今展に寄せた新作《Li2O・NaO・CaO・Al2O3・SiO2:水の破片》は一室すべてに展開されたガラス質釉薬による枯山水(笑)あるいは遺跡の庭園のようであり、皆様もじっくり回遊して楽しんで欲しい(それにしてもリンク画像は、ちと情けない写真…)。深読みすれば、水の惑星に取り残された数多の人類の龜棺のカケラが浮かぶ地球終末風景だろうか?…ちなみにこの覚えられないタイトルは水部分に調合した釉薬の元素記号であるそうな。 展示作品のうち、西野陽一氏(京都・1954年生)の作品をご紹介いたします。 もう1点の《黒い沼》2003年は、残念ながらネットの海から掬うことができません。こちらの右の画像の右壁に架かる黒っぽい絵で、暗い沼の岸辺に蛍が舞い、右下隅には猪のウリ坊(バクだったかなァ〜?)が…。 庵主も初めて知った画家で興味を覚えましたので、ネットにて他作品を追跡調査。(笑) どれも良さそうだなぁ!どこか一堂に観られる機会はないものか…?!
by nonacafe
| 2007-02-19 09:20
| 庵主の物見遊山
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Comments(10)
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moraisan at 2007-02-20 23:37
土から生まれるもの‥ なかなか意味深いタイトルですね。
この地球でもっとも多い物質は珪素Siなのに、いつの間にか炭素生物が幅をきかせていますね。 植物の灰から釉薬得る、やはり光合成由来の炭素生物人間‥ SF世界の話では珪素生物もありだけれど‥ もしそうであったなら、人間ももっとクリスタル! 頭が茶碗の人間を、どこかのブログで見たような^^
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o-beikokuten at 2007-02-21 00:05
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february_kei at 2007-02-21 20:14
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nonacafe at 2007-02-21 20:47
>Moraisanさま ありがとうございます。ジミな記事へのコメントを(苦笑)
庵主、科学にまるでヨワくて、釉薬の元素もよく分かっていないのです(汗) 珪素生物とは、かの茶碗人間(セラミカ・アンドロイド?)のことでしょうか?(爆)次回V4を受賞したならば、こんどは炭素人間の結晶であるダイヤモンドにでも変身しちゃおうかな〜♪(@_@)
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nonacafe at 2007-02-21 21:06
>※のらさま 期待に応えまして(笑)MORE記事にて
著作権違反行為を決行しました。間もなく消えますのでお急ぎを! 西野陽一氏の屏風絵、いいでしょ〜!ぜひ落成記念にお買い上げいかが? それから、伊藤若冲のコレクター「ジョー・プライス」さん 石油王の二代目さん。若かかりし頃、若冲の掛軸に巡り会って、卒業記念プレゼントのスポーツカーを若冲に代えてから熱病に。奥様も日本人です。(笑) http://www.jakuchu.jp/index.html 若冲展、いま九州で開催中、その後、名古屋のようです。 機会があったらぜひこちらもご覧になれるといいですね。これもオススメ!
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nonacafe at 2007-02-21 21:25
>Feb_Kさま そう、いわゆる食器とかの陶芸作品はありません。
でも、小川待子さんの代表作品名は、しばらく「うつわシリーズ」と称していました。どれも割れたり、欠けたり、ザラザラだったり…。ま、彫刻作品のようなオブジェ。 庵主、最初に就いた陶芸の先生がオブジェ派のホープでしたもので、当時、小川待子さんは教室仲間では女流陶芸界のカリスマ的存在でありました。 こんな展覧会を観ると、どこか懐かしく触発され新鮮なパワーを授かってくれたような気がしました。 人出(人気?)少なそうですから、ぜひごゆっくり観覧ください。 きっと二十代にタイムスリップの余禄もありそう〜(苦笑)
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o-beikokuten at 2007-02-21 22:24
nonacafeさま~、ありがとうございます~!!
犯罪を犯してまでの愛をこっそり?いただけて感激です。 西野さんの作品、ど真ん中に来ました! 小学校のときにお世話になった先生のご主人が日本画家で、 そのせいか日本画が好きです。 その方の作品の中に水牛がただ一頭だけ描かれた大作が あるのですが、それに一目ぼれして、お店の一番いいところに ど~んと飾ったらどんなにいいだろうと夢見たこともありました。 いいものを見せていただいてうれしいです。 ありがとう! プライスさんのこともありがとうございます。 ずっと謎だったんです。 すごいスケールの邸宅でコレクションに 囲まれたプライスさんの靴下が今にも穴が開きそうにももけてたのを 何かの写真で見かけて親近感を覚え、お友達になりたいな~なんて 妙なことを考えました…。
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nonacafe at 2007-02-21 22:39
>※のらさ〜ん! また入れ違い!(苦笑)
いまそちらにお邪魔して興奮が醒めやらず!!! なんかとってもワクワクしそうな家が出来上がりそうですね〜!!! お嫁に行って乗っ取るわけにも行かないので…(爆)そちらに 丁稚奉公でもしたいなぁ〜なんて、妙に良からぬことを考えました。(年齢制限ありかな〜?)
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jamartetrusco at 2007-02-24 18:43
オペラシティーにギャラリーがあるなど知りませんでした。またまた残念。この展覧会3月25日にて終わってしまうのですね。実は仕事にて4月頭から東京なのです。ちょっとの差で見損なう、、くやしい(涙)。よさそうですね。この日本画家の方の作品。名前しっかりと覚えておこうっと。
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nonacafe at 2007-02-25 00:32
>Jamarteさま お帰りなさ〜い。ですね、きっと!
オペラシティのギャラリー庵主も初めてでした。 結構興味深いテーマを展開しているようですね。4月は藤森照信の 建築学と路上観察とかで、これもちょっと面白そうで注目しています。 日本画の西野陽一、どんな人だろう?実家が京都西陣の織元だとか? で、どこか光悦とか光琳にも通じるような…? まあ?4月、東京ですか〜?今年はお忙しく充実していますね。
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